Cardiology
診療科からのお知らせ/コラム
心臓は、絶え間なく規則的に拍動する血液のポンプです。心臓は、一分間で約60回拍動し、24時間では約10万回、毎日絶え間なく収縮・弛緩を繰返しています。これほどタフなポンプは、この世に他にありません。我々、循環器内科は、この心臓の病いに対して、全力で取り組んでいます。 心臓のポンプ機能が障害される原因は様々です。心臓に必要な十分な酸素と栄養素を供給するルートである冠動脈という血管の問題、心臓の筋肉自身の問題、心臓の拍動のリズムの障害。我々は、それぞれの疾患に対して、先進的医療を駆使して治療にあたっています。 心臓病の多くは、血管の異常によって引き起こされます。「人は血管と共に老いる」…..これは、約一世紀前の偉大な医学者ウイリアム・オスラーの言葉です。人の寿命というのは血管で左右されるという意味ですが、今でもあてはまる言葉です。この血管を守るために、予防医療にも精力的に取り組んでいます。また、心臓病を抱えた患者さんの日常生活の質の向上に努めるのも循環器医の重要な責務です。当科は、循環器救急医療の充実、心臓リバビリテーションを中心とした包括的な医療、そして生活習慣病の予防医療に情熱をもって取り組んでいます。 患者さんに寄り添う診療に心がけ、地域の皆さんが健康で過ごせるお手伝いが出来ればと思っています。よろしくお願い申し上げます。
循環器内科 部長(副院長)
井上 信孝
循環器疾患は、急性心筋梗塞、急性冠症候群、急性心不全、不整脈疾患など、一刻の猶予もならない救急医療と、社会復帰を目指した心臓リハビリテーション、さらに心血管病の原因となる高血圧、脂質異常症など生活習慣病の予防医学と多岐にわたります。我々は、狭心症・心筋梗塞などの冠動脈疾患、心不全、不整脈、弁膜症、高血圧、閉塞性動脈硬化症などの末梢動脈疾患などの循環器疾患全般の診療を行っています。
冠動脈疾患に対する心臓カテーテル治療に関しては、安全性を最優先とし、かつ患者さんにより負担の少ない低侵襲なものを求めていくと同時に、最先端の技術も積極的に取りいれていきたいと考えています。当院では虚血性心疾患の直接診断である心臓カテーテル検査や、カテーテルを用いたステント治療を主体とした経皮的冠動脈形成術をするにあたり、日本心血管インターベンション治療学会専門医・認定医を中心とした治療チームで、常時対応できる体制をとっています。また、当院はロータブレーターの施行可能な認定施設です。高度石灰化を伴う冠動脈病変に対する高速回転式冠動脈形成術(ダイヤモンドバック)を導入し、高度な冠動脈疾患の患者さんに対しても迅速かつ最適な治療を安全に行うことが可能となっています。冠動脈疾患の診断においても、心臓CTや心臓核医学検査など、患者さんに負担のかからない非侵襲的な検査の充実に取り組んでいます。
不整脈疾患に対しては、患者さんの生活の質の向上を目指して、頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療、徐脈性不整脈に対するペースメーカ治療を行っています。心房細動に対するカテーテルアブレーション治療は、自覚症状を軽減させ生活の質を向上させる効果だけではなく、脳梗塞や心不全を予防し、生命予後を改善させる効果も期待されています。当院では、患者さんの病態や背景を考慮して、最善の治療を提供しています。
心不全は、心臓の機能が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだんと悪くなり生命を縮める病気です。心筋梗塞、心筋症、弁膜症などいろいろな心臓の病気が、心不全の原因となります。心不全は、寛解、増悪を繰り返します。日本の高齢化に伴い、慢性心不全の患者さんが劇的に増加してきています。こうした状況のことを “心不全パンデミック” と称されています。我々は、心不全の患者さんに対して、慢性心不全教育入院を立ち上げました。慢性心不全教育入院では、心不全を悪くしないための療養のコツを学んで頂くための入院です。患者さん一人ひとりの状態に合わせたプログラムを提案し、心不全と上手に付き合いながら生活をする方法を学んで頂こうと思っています。
一方、心臓病を抱えた患者さんの日常生活の質の向上のために、心臓リバビリテーションも積極的に取り組んでいます。心臓リバリテーションは、理学療法士、栄養士、看護師など多くのコメディカルが包括的に関わって、社会復帰だけではなく心臓病の予防を目指していくものです。最近、心臓リハビリテーションの二次予防の効果に対して素晴らしい効果が明らかにされつつあります。こうした意味から、心臓リバビリテーションは、最先端医療のひとつであると言う事ができます。
また、地域社会全体で、循環器医療を支えることは、極めて重要であると認識しています。周辺医療機関との密接な連携が不可欠であると強く認識しております。ホームドクターとして地域医療に貢献されている実地医家の諸先生方との連携、協力関係をより強固なものにしております。
2020年 | |
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経胸壁心エコー図 |
3,554 |
経食道心エコー図検査 |
51 |
心筋シンチグラフィー |
216 |
心筋シンチグラフィー |
28 |
冠動脈CT |
158 |
心臓MRI |
5 |
2020年 | |
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冠動脈 インターベンション |
135 緊急:48 待機的:87 |
IABP |
7 |
PCPS |
2 |
2020年 | |
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新規例 |
21 |
交換例 |
11 |
2020年 | |
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カテーテル アブレーション |
29 |
ICD (植込み型除細動器) |
1 |
2020年 | |
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心臓リハビリテーション |
9,260 |
いのうえ のぶたか
井上 信孝
副院長 ・内科代表部長・循環器内科部長
専門分野:循環器疾患 、内科一般
【学会専門医・認定医】
・日本内科学会認定総合内科専門医 / 指導医
・日本循環器学会認定循環器専門医
・日本循環器学会認定FJSC
・日本高血圧学会認定高血圧専門医
・日本動脈硬化学会認定動脈硬化専門医
・日本医師会認定産業医
・神戸大学臨床教授
・神戸薬科大学臨床教授
・日本心臓病学会 心臓病上級臨床医(FJCC)
・労災疾病等医学研究/開発、普及事業「生活習慣病」研究代表者
【メッセージ】
神戸大学関連病院で研修後、米国エモリー大学、国立循環器病センター研究所を経て、2009年から当院に勤務しています。患者さんに寄り添う診療を行なっていきたいと考えています。
あらゆる病気の予防には生活習慣の改善は大切です。私も50を過ぎてからマラソンを初め、これまで5回のフルマラソンを完走しました。
当院売店の書棚にある、拙著「大還暦考 -120歳までしなやかに生きるには…」 ご一読を!
おざわ とおる
小澤 徹
部長
専門分野:内科一般 、循環器疾患
【学会専門医・認定医】
・日本内科学会認定総合内科専門医 / 指導医
・日本内科学会認定医
・日本循環器学会認定循環器専門医
・日本心血管インターベンション治療学会専門医
・日本医師会認定産業医
【メッセージ】
前任地から神戸労災に赴任して、15年が経過しました。
少壮気鋭の青年医師からアラフィフ医師に・・・。
私は内科医ですので、かかりつけの患者さんはほぼ皆私より年上です。患者さんの前では、私などまだまだヒヨッコ同然で、人生経験は圧倒的に患者さんの方が豊富です。
ですから、患者さんに接する時は「人生の先輩に対する学びの姿勢」を忘れないように心がけています。
ひらやま そのこ
平山 園子
循環器内科部長
【学会専門医・認定医】
きまた あきら
木全 玲
部長
専門分野:循環器疾患
【学会専門医・認定医】
・リードレスペースメーカ植込資格
たけだ まさふみ
武田 匡史
部長
専門分野:循環器疾患
【学会専門医・認定医】
【メッセージ】
2019年から循環器診療に携わらせていただいております。この病院に来させていただくまでは、京都大学のiPS細胞研究所にて約9年間、主に心臓再生に取り組んで研究しておりました。再生医療の観点から患者さんにお役に立つことができないか模索しております。その取り組みの一つとしまして『健康的に老いる』をモットーに‘フレイル外来’を始めております。お気軽に相談いただければと存じます。皆様とお会いできますのを当院にてお待ちしております。
ふくはら けんぞう
福原 健三
副部長
専門分野:循環器疾患 、虚血性心疾患、 カテーテルインターベンション、 心臓超音波
【学会専門医・認定医】
【メッセージ】
患者さんお一人お一人にあったオーダーメイド医療をおこなう事を心掛けております。診療所・医院様からの紹介をいつでも受け、難病であった場合はスムーズに高度医療機関と連携していく体制を維持できるように努めてまいります。診療の際にご不明な点がありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
まきの ゆうや
槇野 裕也
専門分野:循環器疾患、糖尿病
【学会専門医・認定医】
やすとみ まさみち
安冨 真道
専門分野:循環器疾患
【学会専門医・認定医】
たかい ゆうき
髙井 優希
専門分野:循環器内科
またき ひろゆき
俣木 宏之
非常勤医師 (禁煙外来担当)
専門分野:循環器疾患
【学会専門医・認定医】
・日本循環器学会専門医
・日本内科学会総合内科専門医
・日本内科学会認定内科医
【メッセージ】
心不全について知ってもらい、予防、対処を通じて、心不全による入院を減らしてもらおうという趣旨にて、「心不全教育入院」を立ち上げています。9日間の短期入院です。心不全教育入院をご利用下されば幸甚です。又最近注目しているのが、「漢方薬」です。従来の治療にて後一押しだったり、副作用を抑えたい場面で漢方が役立つことの素晴らしさを実感することの多い今日この頃です。私の外来で「漢方をだしてみましょうか」とあれば、あ、きたな と思ってもらえれば幸いです。
たけい あすみ
武居 明日美
不整脈治療部門統括ディレクター
専門分野:不整脈
【学会専門医・認定医】
ほんだ ゆか
本多 由佳
非常勤医師 (心不全弁膜症外来担当 金曜日午後)
専門分野:循環器疾患 、心臓超音波
【学会専門医・認定医】
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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循環器内科 1 |
井上 信孝 | 木全 玲 | 小澤 徹 | 井上 信孝 |
井上 信孝 (2,4,5週) |
循環器内科 2 |
槇野 裕也 | 福原 健三 | 武田 匡史 | 俣木 宏之 | 小澤 徹 |
循環器内科 3 |
安冨 真道 |
(令和5年1月4日現在)
午前:火・水・木・金曜日/1診は初診のみ。
不整脈外来を受診される場合は、紹介状をご持参ください。
※不整脈外来を従来担当していた武居医師は県外からの応援診療となったため、診察は不定期となります。
当面は、他の医師が外来を担当いたします。ご了承ください。
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