研修医だより

Trainee Report

アメリカ研修記 【研修医だより1】

神戸労災病院 内科後期研修医 近藤 健介

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2009年3月に大西一男副院長、井上信孝循環器科部長のご厚意により約1週間、 アメリカに研修に行く機会を得ましたので、その報告をさせていただきます。

今回の研修でまず私が訪れたのはスタンフォード大学において心臓病の非侵襲的画像診断法を研究しておられる寺島正浩先生の研究室です。
スタンフォード大学はアメリカ西海岸のカリフォルニア州の大都市サンフランシスコから電車で約1時間の郊外に位置する街にあり、広大な敷地と緑豊かな静かな環境の中で、日本を始めとする世界各国からたくさんの研究者が集まり様々な最新の研究が行われています。
その中で寺島先生はMRIなどを用いた心臓病の患者さんの体により優しく、より負担が少ない検査法を確立するために日夜研究に励んでおられます。
短い滞在時間で具体的な研究内容を把握することは到底かないませんでしたが、患者さんに対するその真摯な姿勢と情熱、そして仕事後に夕食をご一緒した時に触れた和やかな人柄が強く印象に残っています。

飛行機でアメリカ大陸を横断し私が次に向かったのは、フロリダ州にあるオーランドで開催される第58回アメリカ心臓病学会総会です。
アメリカ心臓病学会は年一回開催される最も大きな心臓病に関する学会のひとつであり、米国だけでなく世界中から数万人が参加し循環器に関する最新の臨床、基礎研究の発表、活発な議論が行われる学会であります。
もちろん学会会場も巨大であり、目的の発表会場まで辿り着くまでに何度も迷子になった程でした。私の拙い英語力では口演での発表内容を聞きとることはかな り骨が折れましたが、世界の一流の循環器科医たちの最新の知見に触れ、また私と同年代の先生方が堂々と発表されている姿を目にすることは私にとって非常に 大きな刺激となりました。

私が今回の研修で最も感じたことは、視野を広く持つことの重要さであります。
現在、私は当院において諸先輩方のご指導の下、循環器科を中心として内科全般に関して研修中でありますが、日々の忙しさに追われつい目の前の仕事のみに捉われてしまうこともあります。
毎日の臨床現場で遭遇する小さな疑問に目を向け、ひとりひとりの患者さんに一番適した医療を提供することの積み重ねの中で新しい研究が生まれ、今後の医療の発展につながっていくのだと思います。
そしてこの神戸労災病院から世界に向けて何かを発信できるように、今後の医療に取り組んでいきたいと考えています。

最後に今回お忙しい中訪問を快諾していただいた寺島先生をはじめとして、このような研修の機会を与えていただいた当院の諸先生方に心より感謝申し上げます。

また中規模の病院でありながら、そこで行われている医療は極めて高度であり、最先端医療がコンパクトにまとまっているという印象です。さらに、ここの暖かい雰囲気も手伝ってか、上級医の先生方の研修医に対する指導の熱心さは特筆すべきものです。
どの診療科のローテートにおいても、研修医は所属科の一員となり、日々の診療の中で知識・技術ともに一人前かそれ以上のものを獲得できるような環境であるのは間違いありません。

院内は活気にあふれており、職員全員が目をキラキラさせながら働いているような病院です。大学から病院という新たな世界に飛び込んでくる私たち研修医にとって、このような雰囲気は、戸惑いを減らし、一層楽しく充実した研修を行う手助けとなっているように思います。
私は間もなく臨床研修期間を終了して専攻医としての新たなスタートを切ることになりますが、神戸労災病院でのこの二年間は大きな自信となり、今後一生の財産となることと思います。

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