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心房細動に伴う脳梗塞の発祥の人種差に関する研究について

心臓は、規則正しいリズムで全身に血液を送り出すポンプとして重要な働きをしています。拍動リズムが不規則になる状態が不整脈ですが、心房細動は、多くの方が罹患している不整脈疾患です。

心房細動が起こると、心房内から血液がうまく送り出されなくなり、血液の「よどみ」が生じ、血栓(血液のかたまり)ができやすくなります。この血栓が血流にのって脳にまで運ばれ、脳の血管を塞いでしまうのが脳梗塞です。

心房細動に伴う脳梗塞の発症には、人種差があります。アジア人は、心房細動に伴う脳梗塞のリスクが、欧米人より高いことが知られています。また、抗凝固剤(血をサラサラにする薬)による脳梗塞の減少の大きさは、非アジア人よりもアジア人のほうが大きいようです。しかし、これらの民族の違いの根底にあるメカニズムは不明でした。

今回、英国のハートフォードシャー大学のDiana Gorog教授との共同研究で、抗凝固剤による効果が、英国人に比べて、日本人の方が効果があることを、臨床的に明らかにしました。

この結果は、専門誌 JACC 2019年12月(74巻23号)に掲載されています。
 

副院長 循環器内科部長 井上信孝

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