近畿圏初 フレイル外来 誕生

副院長・循環器内科部長 井上信孝 

現在の日本は、2018年の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.26歳と、世界でトップクラスの長寿国の位置をキープしています。しかしながら、平均寿命と、健康寿命に大きな差があることが指摘されています。健康寿命とは、健康上の問題がなく日常生活を過ごせる期間のことです。平均寿命より男性で約9年、女性で約13年の差があります。すなわち、この平均寿命と健康寿命との間の期間は、何らかの介護等が必要になる期間と言えるでしょう。

年齢を重ねるにつれ、これまで当然できると考えていたことが、自分自身でできなくなっていきます。日本では、確かに平均寿命は延びているのですが、この健康寿命の延びはそれほどでもありません。いかに健康寿命を延ばすかが、今の日本のいちばんの課題です。そして、健康寿命と平均寿命の差を考える上で、「フレイル」という概念が注目されるようになりました。

「フレイル」とは、もともとは「虚弱」という意味で、元気な状態から、活動性が落ち、要介護・寝たきりになる過程の中間的な段階を指す言葉です。要介護・寝たきりになる前のフレイルの状態であれば、もとにもどる可能性があります。しかしながら、進行しある点を越えると、もとにもどることが難しくなります。フレイルは、体の面だけではなく、こころの面、そして社会的な要因などのいろいろな原因で、弱々しくなっていきた状態のことをいいます。そうした点からもこのフレイルという状態を診断し、いかに認識することが重要です。

こうした背景のもと、当院では、近畿圏初の「フレイル外来」を開設いたしました。その内容が生活協同組合コープこうべ発行の情報誌「ステーション」2020年10月号で紹介されました。
「ステーション」2020年10月号 女性と子どもの、クリニック  第9回「フレイル」掲載ページ

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