循環器内科 井上信孝副院長が、洋學社から「熱血循環器学」を出版しました

熱血循環器学 序文より

循環器学では、新しい知見が日々蓄積され,新技術の進歩とともに、その診断法、治療法が革新的な発展を遂げています。これまでは「否」とされていたことが、「正しい」と証明され、またその逆に、これまで常識とみなされたことが、臨床研究にて完全に否定されることも数多くあります。βブロッカーが臨床の場に登場した時は、薬剤の添付書に「禁忌:心不全」と記載されていました。もちろん現在は、βブロッカーが心不全治療のファーストラインに位置しています。カテーテルによって大動脈弁狭窄症が治療しうるなどは、私が研修医の時は、誰もが想像だにしていませんでした。こうした医学、循環器学の進歩に追随すべく、我々はこれまで様々な教書にて学んできました。しかしながら、臨床の場に身を置くと、従来の教書では、本当に伝えるべきこと、伝えなければならないことが、伝えられていないのではないかと感じています。

最近、医療系のドラマ、映画が流行っています。医師の仕事は、時にドラマで見るような劇的な場面もありますが、しかし実際は、各医師が自分の責務を淡々と、忠実に果たしていく、いわば単調で日常的なことが大半を占めます。ただそうした日々の日常診療の中で、ドラマをも遥かに超えて、心に深く刻み込まれることを誰もが経験していきます。こうした貴重な臨床での経験はなかなか伝えるすべがありません。

中略

これまでの教書では、こうした真に伝えるべきことが欠けているのではないかと考えています。そこで本書では、各項に「熱血の章」を設けました。この「熱血の章」では、各分野において、印象に残った症例や、心に刻み込まれた患者さんのご紹介、その症例から得た教訓、また若いドクターや学生に是非伝えたいメッセージ、さらには、研究生活での心に残るエピソードなどを自由に記述して頂きました。

副院長 循環器内科部長 井上信孝