北海道研修記 日本心臓病学会学術集会~北の大地で~【研修医だより3】

 神戸労災病院 内科後期研修医 田中 伸明

平成21年9月18日から20日まで北海道で開催された第57回日本心臓病学会総会に参加させていただき、発表という機会を与えて頂いたので報告致します。

発表会場は札幌で、広大な大地が広がる開放的で緑豊かな場所で行われました。
私の発表内容は、虚血性心疾患を患う80歳以上の超高齢者に対し脂質異常をどこまで管理するかということを、質疑応答ふまえ心血管系疾患のエキスパートの先生方へ提示することでした。

そもそも事のはじまりは、今年の春ごろに、井上信孝循環器科部長から当院での患者データから何か興味深い結果を全国へ発信できないかと提案されたことが始まりでした。

それまで私はあらゆる患者のデータから情報収集、統計学を駆使し何か一つの結論を導き出すという作業を行ったことがなかったため当初は戸惑いを隠せません でしたが、相談しやすい上級医の先生方の熱心な指導により、納得のいく発表を作成し、当日も一流の循環器内科の先生方と同じ土俵で超高齢者の脂質異常症の 管理の仕方について議論できたと思います。

そして循環器疾患の最新の臨床、基礎研究の発表や討論を目の当りにすることで、私にとって非常に大きな刺激となりました。

もちろんシルバーウイーク中ということもあり、勉学に勤しんだ後は、井上信孝部長と仲のいいスタッフで、バラエティーに富んだ海の幸、山の幸を食材にした北の大地の産物をしっかり堪能してきました。

私が今回の研究発表を踏まえ感じたことは、ガイドライン通り臨床現場で何気なく行っている事柄の中にも、それを行う患者群によっては結果に差が生じることがあるということでした。患者データを統計だって考察することで新たな世界が開けるかもしれません。
それに気づく事ができたことで、私の臨床現場での視界の幅が広がり、今後さらなる展望を築けると思います。

このように当院では、日々の臨床現場で患者さんに対し真摯な姿勢で臨み治療を行うと同時に、カンファレンスで常に学問的に考察し、時に研究テーマを掲げ今 後の医療に活用できないかを考えデータを収集しております。中規模病院でありながら、今後の医療の発展を視野に入れた、患者データ収集を行うという大学病 院の様な一面を兼ね備え、そしてonとoffをしっかり確立し、息抜きも全力で、仕事も全力で行う姿勢は、後期研修医にとって刺激的な日々を送ることがで きる病院だと心から思います。