学会発表 【研修医だより19】

APHRS 2015の学会参加を終えて

 循環器内科 後期研修医 鄧 皓之

このたびは、オーストラリアのメルボルンで開催されたAPHRS(Asia Pacific Heart Rhythm Society)への参加の機会をいただき、ありがとうございます。私の演題が、ポスター発表で無事採択され、人生初の不整脈関連の国際学会に参加することができました。

今回の目標は、ポスター発表を成功させること、そして、アジアおよび環太平洋地域の循環器内科医の先生方の経験症例を学び、自らの経験の範囲を超えて知識をつけることです。

pic1この学会は、19時間の長旅から始まりました。あいにく、関西国際空港からメルボルンまでの直行便はなく、シンガポール経由のトランジット時間を含めるとこのような時間となります。初めての国際学会、初めてのメルボルン。ポスター発表への意気込みと同時に不安もこみあげ、フライトのほとんどの時間、質疑応答の内容を考えていました。私の発表した内容は、単心室の患者さんが、完全房室ブロックを発症し、経静脈的にペースメーカー植え込み術を行った症例です。単心室にペースメーカーを植え込んだ症例報告はなく、リードを植え込む適切な位置を判別するために電気生理学的検査から始めました。非常に珍しい症例であり、日本語ですら説明する事は容易ではない、ましてや英語でとなると、文法・発音など、不安要素は数えればきりがありません。しかしながら、発表は目の前。気持ちを切り替え、イメージトレーニングを行いました。(そんな中での機内食はおいしさも倍増します!)

さて、無事到着したメルボルンは、落ち着いた街並みで無料の路面バスも走っており、交通の便はとてもよかったです。学会会場で上司の武居先生と合流し、世界の不整脈治療や新しいデバイスに関する発表を間近で聞くことができ、非常に感銘を受けました。なかでも、新しく発売されるリードレスのペースメーカーを実際手に取ってみると、まだ改善点はあるかもしれませんが、手技時間の短縮や、服に擦れないなど、患者さんのQOLの向上に繋がると実感しました。

pic2また、本学会プログラムの中で、最も興味深かったのは、心電図講座です。日本において、勉強会で意見を言う場合は、ほとんどの場合、挙手し発表すると思います。しかし、多国籍の医師が集まった今回のような場では、挙手する間もなく意見の飛び交う白熱したディスカッションが繰り広げられていました。このように自信を持って自らの意見を発表するためには、正確な知識、柔軟な思考、ディベート力が必要であると痛感し、本学会での勉強を帰国後もさらに充実したものにし、今後の仕事に生かすため精進いたします。

最後になりましたが、本学会に参加するにあたり全面的にサポートしてくださった武居先生、鈴木先生、井上先生をはじめ、スタッフの方々には、この場をお借りして深い感謝と共に厚く御礼を申し上げます。大変貴重な経験をさせていただき、誠にありがとうございました。

(2015年11月)