その“イビキ”は病気のサインかも!?予防、早期発見、処置判断のキーとなる最新検査&人間ドッグのいろいろ

その“イビキ”は病気のサインかも!?予防、早期発見、処置判断のキーとなる最新検査&人間ドッグのいろいろ
 

臨床検査技師 高橋重夫 技師長(中央)、臨床検査技師 小田二三雄主任(右)、臨床検査技師 加藤祐子主任(左)人間ドックや入院前の健康診断などで実施される「検査」。神戸労災病院では、検査科に所属する18名のスタッフ(主任5名を含む)が、血液検査のための採血から救急で運ばれてきた患者さんの術前検査や術中迅速診断まで、24時間体制で業務にあたっています。検査が治療や処置にどのように役立つのか、最新の人間ドックにはどのような検査が組み込まれているのか、検査技師から話を聞きました。

臨床検査技師 高橋重夫 技師長(中央)
臨床検査技師 小田二三雄主任(右)
臨床検査技師 加藤祐子主任(左)

 

 

精緻かつ体に優しい検査・治療を実現

Q:検査には、大きくわけて「検体系検査」と「生体系検査」の2種類があるそうですが、両者の違いや、それぞれの代表的な検査内容などを教えてください。

高橋技師長高橋:「検体系検査」とは、血液や尿・便など体から排出されたものや、体の組織の一部を採取したものを調べる検査のことです。血糖値や白血球の数を計測する血液検査が代表的ですが、血液成分を調べるものに限っても5000種類ほどありますから、仕事の幅はとても広いと言えるでしょう。ほかに、細菌や病原菌(ウイルス)を調べたり、輸血が必要になった場合に備えて血液の適合を調べたり、がん細胞などの人体組織を標本にしたりといった業務も検査科の重要な仕事です。どの検査が必要かという判断は医師が行います。
さらに、労災病院は職業に伴う病気や災害(例:作業による脊髄損傷、精神的疲労によるうつ症状など)を受け持つ地域医療の拠点になっており、ビルの解体作業に就いていた人が粉塵を吸ってアスベストの影響を受けていないかを調べる「アスベスト小体濃度計測検査」における近畿地区のセンター施設に指定されています。
 一方の「生体系検査」というのは、患者さんの身体(生体)を直接調べる検査のことで、心電図や脳波を見るもの、超音波を用いた検査などがあります。最近はチーム医療の取り組みの中で、検査技師がメンバーに加わる機会も増えてきましたね。

Q:チーム医療の中で検査がどのような役割を果たしているのか、いくつか具体例を挙げて説明していただけますか?

小田主任小田:たとえば静脈疾患として増加傾向にある「下肢静脈瘤」の手術に際しては、エコー検査で血管の状態を調べるため、当院で定めた基準以上の大きさで逆流を伴う静脈血管、血管枝、および交通枝などにマークをつけ医師に報告します。医師は下肢静脈瘤血管の状態とマークの位置関係から結紮部位を決め手術を行います。
また、当院では心筋梗塞で手術を受けた患者さんは、退院前に日常生活が安全にできるよう、医師と臨床検査技師で心肺運動負荷検査(CPX)を行います。この心肺運動負荷検査は検査用の自転車(エルゴメーター)を漕いでもらって、心電図、血圧、および呼気ガスをリアルタイムに分析し、有酸素運動と無酸素運動の境界ポイントを探します。そのポイントから患者さんが息切れなく長時間安全に続けられる「適切な運動」の処方を医師が作成し説明をします。その運動処方に基づいて医師と理学療法士が患者さんのリハビリメニューを考え医師・看護師・理学療法士のスタッフでリハビリを安全に行なっていきます。退院してからも心肺運動負荷検査は患者さんの体調変化より定期的に新しい運動処方を再度作成していきます。このようにチーム医療の中で検査科は、患者さんの病状の把握および健康状態把握のため医師の一助として務めています。

  

24時間体制で円滑な医療サービスをバックアップ

Q:最近は、採血なども看護師ではなく検査技師が担当されることもあるそうですね

加藤主任加藤:看護師に本来の業務に集中していただくためでもあり、また、血液検査の精度を上げるためでもあります。どんな仕事でも同じだと思いますが、「何のためにやっているのか」、「次に、どのようなプロセスがあるのか」を意識することが、検査の精度や効率を上げ、きめ細やかな対応につながるものです。
仮に、スピッツ(採血用の管)の中に抗凝固剤が入っているものとないものとがあった場合、先にどちらに血を採るかという順番がデータに微妙な影響を及ぼすこともあると言われているんですよ。

Q:それぞれの検査について、かなり専門的な知識が必要だと思いますが、検査ごとに担当する技師は固定されているのでしょうか?

高橋:もちろん、特定分野のエキスパートになることも大切ですが、各検査データはすべてがつながっているものなので、全体を見る目を養うためにも、あらゆる部署に就くようにしています。「この分野の検査しかできない」という技師がいたのでは、24時間体制で対応することもできませんしね。
救急車で運ばれてきた患者さんが吐血しているという緊迫した状況下で、“見た目の量”ではなく“赤血球など“血液成分の量”を調べて、手術を擁するのか経過観察でかまわないのかなどを医師が判断するバックアップをするといった緊急検査も行っています。
加藤:一般的な外来検査でも、患者さんをお待たせする時間が無駄に長くならないよう留意しています。たとえばピロリ菌の検査では、風船を膨らませる呼気検査の代わりに患者様の状態によっては尿中・便中の抗原・抗体を検査すれば短時間で済みます。また、超音波検査なども、技師の配置や検査時間の空き状態を確認・調整し、できるだけ即日検査になるよう努めています。

 

当院の人間ドックの特色

Q:「人間ドック」にはどのようなものがあるのでしょうか?

小田:人間ドックは「日帰りコース」と「1泊2日コース」の2種類に分かれています。「日帰りコース」には、基本的な検査項目により生活習慣病の検診を行う「Aドック」、さらに負荷心電図や腫瘍マーカーを加え、生活習慣病と"がん"の早期発見を行う「Bドック」があります。さらに「Bドック」には大腸ファイバーなどを加えた「消化器コース」と睡眠時無呼吸検査などを加えた「いびきコース」があります。当院の特色としては腫瘍マーカー、大腸ファイバーおよび睡眠時無呼吸検査を入れたコースの選択ができるところにあると思います。また、コースには入っていない検査の追加や受けたくない検査についてもご希望に対応することが可能です。

 

医療の進歩とともに検査も進化

Q:病院で行う検査は変わっていくのでしょうか?

高橋:新しい病気が見つかり、病気について深く解明されればされるほど、検査自体の種類も増えていきます。たとえば、今でこそ「C型肝炎」の治療技術が進んできましたが、A型でもB型でもない肝炎としか言えなかった時代は、検査でわかることも処置の方法も限られていたわけです。このように検査は時代とともに常に新しくなっています。
当院には、「細胞検査士」「超音波検査士」および「心臓リハビリ指導士」といったより専門性の高い資格を保有する技師、さらに資格を取得するために前向きに努力する技師が多いので、自信をもってドクターのバックアップができていると自負しております。

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